新型コロナ感染拡大防止措置の一部緩和へ

(オランダ)

アムステルダム発

2021年04月28日

オランダ政府は4月20日、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の一部緩和を同月28日から実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。緩和による感染再拡大のリスクは伴うものの、ワクチン接種の拡大による新規入院患者数の減少などを見込み、社会的・経済的な活動再開の重要性を踏まえて、今後、段階的な緩和を実施する。28日から適用する主な緩和措置は以下のとおり。

  • 夜間外出禁止(午後10時~翌日午前4時30分)は4月28日午前4時30分に終了する。
  • レストラン、カフェなどのテラス席は正午から午後6時まで営業可能とする。客数は最大50人まで、1テーブルに2人までの固定席とする(ただし、同一世帯は除く)。支払い、トイレ利用時のみ店内に入ることができ、店内ではマスク着用を義務付ける。
  • 小売店(スーパーなどの食料品店、薬局などを除く)は来客の事前予約なしで営業可能とする。営業は午前6時から午後8時までとし、店舗の広さに応じた来場人数制限などの条件を設ける。店舗内ではマスク着用を義務付ける。
  • 各家庭の来客受け入れは1日当たり2人まで、訪問は1日当たり1世帯までとする。

このほか、高等教育機関と大学では週1回の対面授業の再開(4月26日から)、運転免許の筆記試験の再開、葬儀では最大100人までの参列を可能とするなどの緩和措置も盛り込んだ。

今回の措置を受け、小売店(食料品店を除く)の業界団体INretailは20日、今後のさらなる緩和に向けた重要な一歩と評価しつつ、店舗への制限措置が継続する限り政府の経済支援が必要だと述べた。また、飲食サービスの業界団体KHNも同日、「小さな希望の光」だが、事業者が利益を上げるには十分ではなく、引き続き政府関係者などと制限緩和に向けあらゆる話し合いを継続するとともに、6月1日までの完全な営業再開に向けて、セクター間で緩和措置が平等となるよう引き続き求めていくとした。

政府は5月3日に緩和の次の段階への移行が可能かどうかなどを発表する予定だ。次の段階では動物園や遊園地などの屋外施設の再開、特定の条件下で屋内・屋外スポーツを可能とするなど、さらなる緩和を計画しており、早ければ5月11日から開始するとしている。

(高橋由篤)

(オランダ)

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