VWが自動車の定額利用サービス開始

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2021年04月01日

ロシアの自動車サブスクリプション(定額利用)サービス市場に、大手自動車メーカーが参入する。フォルクスワーゲン(VW)のロシア法人VWルスは3月30日、カーシェアリング大手ベルカ・カーと共同で、VWブランド車の消費者向けサブスクリプションサービスを4月に開始すると発表した。

強制保険や任意保険の付保、定期車検、タイヤ交換といった車両の利用・維持に必要な各種サービスもVWルスが提供する。車両の受け取りと返却はモスクワ市内で行う必要があるが、国内全土で利用可能だ。サービス開始当初の利用期間は1年間で、将来的にはより短期間の提供プランも追加する。

世界的に広がりを見せる自動車のサブスクリプションサービスはロシアでも普及しつつある。ボルボが2019年6月にロシアで初めてサービスを開始。利用者の多くは大企業の上級管理職や事業主などで、1年間の利用期間終了後に契約を更新した利用者は68%に上った(「コメルサント」紙2020年10月17日)。続いて、現代自動車が2019年10月にサービスを開始し、利用者は1年間で1,600人に達した(「ベドモスチ」紙2020年10月14日)。そのほか、自動車メーカーだけでなく、リース会社やインターネット事業者も続々と参入し、2020年12月時点で12ブランドの自動車が利用可能になっている(「ザ・ルリョム」12月30日)。

自動車ジャーナリストのアルチョム・ボブツォフ氏は「市場規模はまだ小さいが、今後成長が見込まれる市場であり、足場を築くために新規プレーヤーが参入を続けている」と述べ、市場の拡大と競争の激化を予測している(「ビジネスFM」2月3日)。

(一瀬友太)

(ロシア)

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