政府、シェムリアップ州にワクチンを接種した旅行者受け入れを検討

(カンボジア)

プノンペン発

2021年04月21日

カンボジア観光省は4月7日、2021年第4四半期以降において、ワクチン接種を受けた外国人観光客をシェムリアップ州のアンコールワット遺跡群に迎えることを検討していると発表した。観光省は以下の3つの点を検討の指針とした。

  1. 外国人観光客からの信頼を築き、サービスに自信を持つこと
  2. 質の高いサービスをリーズナブルな価格で提供すること
  3. 新型コロナウイルス感染拡大防止策の順守を徹底しながらも入国時の利便性を高めること

ジェトロが観光省にヒアリングしたところ、受け入れは旅行パッケージの形態で行われる予定。同省は今後、保健省および関連省庁、州政府、民間企業と協議し、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮した旅行パッケージの内容を検討するが、トランジットを含まない直行便のほか、近隣諸国からバスで旅行にくる外国人観光客向けを想定しているという。

カンボジアは、GDPの12%を観光業が占め、外国人観光客の減少が同国経済にもたす影響は大きい。2020年11月時点で、閉鎖となった観光関連企業は約3,000社、失業者は約5万1,000人だ(「クメールタイムズ」紙2020年11月7日)。

観光省では2021年3月、観光産業の立て直しを図るためのツーリズムリカバリーロードマップを策定。2021年は、ニューノーマルにおける旅行を海外の観光客に向けて提案することを掲げており、観光施設の新型コロナウイルス感染対策、観光産業従事者に対する教育、観光開発などが組み込まれている。現在、検討が進んでいる旅行パッケージも、本ロードマップに基づいたものだ。

(井上良太)

(カンボジア)

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