労働相が交代、閣僚間の所属政党の均衡が崩れる

(チリ)

サンティアゴ発

2021年04月12日

チリのセバスティアン・ピニェラ大統領は4月7日、新労働・社会保障相の発表を行った。新たに任命されたのは直前まで下院議員を務め、独立民主同盟党(UDI)に所属するパトリシオ・メレロ氏。同氏の就任により、与党内の2大政党のうち、UDI所属の閣僚は1人増で計6人、国民革新党(RN)所属の閣僚は据え置きで4人のままとなる。4月8日付の「ラ・テルセラ」紙は、閣僚間の所属政党の不均衡が広がったことに対する不満の声がRN内で上がっていると報じている。また同紙では、無所属だったマリア・ホセ・サルディバル前労働・社会保障相と比較すると、今後の野党議員らとの折衝への影響が懸念され、政府与党が年金制度改革などのテーマに取り組む上での障害となる可能性があると指摘されている。

内閣を去ったサルディバル氏は、2019年10月28日、反政府デモを受けて行われた大規模な内閣改造によって労働・社会保障相に就任し、その後の雇用創出、年金制度改革などに注力してきたが、個人的な理由で辞任するに至ったと発表されている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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