鉄鋼大手ホアファット、国産コンテナ工場を建設へ

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年04月16日

ベトナム国内鉄鋼大手のホアファット・グループは4月13日、バリア・ブンタウ省計画投資局からホアファット・コンテナ・マニュファクチュアリングの設立にかかる企業登録証明書を交付されたと発表した。発表によれば、同社はコンテナ製造事業を手掛け、諸手続きを完了した後、6月に製造工場の建設を開始する予定。

投資額は3兆ドン(約141億円、1ドン=約0.0047円)で、工場の建設予定地はバリア・ブンタウ省タンフォック区のフーミー2拡張工業団地。需要の高い20~40フィートコンテナに重点を置き、事業第1期には年間18万~20万TEU(20フィートコンテナ換算)の製造を見込む。事業計画上の最終的な生産能力は年間50万TEUとしており、製造されたコンテナの出荷開始は2022年4~6月期になる見通し。

コンテナの原材料となる特殊鋼は、ホアファット・ズンクアット鉄鋼コンプレックス(中部クアンガイ省所在)が生産する。ベトナム国内において、コンテナ製造に必要な特殊鋼を生産できるのはホアファットのみで、中国への輸出実績もある。原材料生産から製品加工までを自社グループ内で行うことにより、高いコスト競争力を有することが期待される。また、工場が南部の主要な国際貿易港の1つであるカイメップ・チーバイ港に近接しているほか、ホーチミン市のカットライ港からも比較的近距離にあり、立地上の利点があることも強みだ。

コンテナの出荷予定時期が1年以上先のため、現在の世界的なコンテナ不足の影響による輸送コスト高騰を緩和するのに、どの程度寄与するかは未知数だが、自国での製造により、外部要因に左右されずコンテナの安定的な調達が可能となることは、ベトナムが輸出拡大の環境を整える上で意義があるといえるだろう。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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