日清食品、巣ごもり需要を追い風にハンガリーでの追加投資発表

(ハンガリー、日本)

ブダペスト発

2021年04月23日

食品メーカーの日清食品は4月22日、追加投資についての記者発表をハンガリー外務貿易省で行った。シーヤールトー・ペーテル外務貿易相や大鷹正人・駐ハンガリー大使らが出席した。

冒頭、現地ディレクターの倉田あや氏は「今回、1,200万ユーロの追加投資を行い、新設備の導入と倉庫施設の拡大により、既存商品の生産量拡大とともに、新たな商品の生産を始める」と述べた上で、「このプロジェクトは2024年に完成予定。20人ほどの新規雇用を行い、300人以上を擁する体制となる」と語った。

日清食品は首都ブダペストの南約100キロのケチケメート市に欧州唯一の生産工場として2004年に進出、生産量の90%以上を20カ国以上に輸出している。良質な小麦粉が調達できることもあり、原材料の50%以上をハンガリー国内で調達している。また、2017年の工場拡張以降、順調に事業は拡大しており、この5年間で2倍以上にビジネス規模が広がったとした。

シーヤールトー外務貿易相は「この1年、世界は新型コロナウイルス対応に明け暮れた。その中でハンガリー政府は失業者に対する手当を充実させるのではなく、失業者を出さないよう雇用を担う企業支援に力を入れている。今回の日清食品による43億フォリント(約15億4,800万円、1フォリント=約0.36円)の追加投資によって新たに20人の雇用が創出される。政府としてもこの投資に5億フォリントを補助した」と述べ、企業活動の安定化に向けた支援を重視する政策をアピールした。「新型コロナ禍を受けて在宅勤務へと世の中がシフトしたことで即席麺の需要が拡大、20%もの売り上げ増になったことが今回の新規設備投資につながったとの説明を日清食品から受けた」とも語り、巣ごもり需要による市場の拡大が追加投資につながったことを明らかにした。

写真 日清食品の倉田ディレクター(ジェトロ撮影)

日清食品の倉田ディレクター(ジェトロ撮影)

写真 記者発表の様子(ジェトロ撮影)

記者発表の様子(ジェトロ撮影)

(末廣徹)

(ハンガリー、日本)

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