ロシア中銀、2022年にデジタル通貨導入実証実験を予定

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2021年04月13日

ロシアでは、2022年にデジタル通貨導入の実証実験に向け準備が進んでいる。現金取引の際に発生するコストの削減や決済サービスの電子化によって、ロシア経済の競争力を強化することが狙い。

ロシア中央銀行が4月8日に発表したロシアにおけるデジタル通貨「デジタルルーブル」構想によれば、官民および金融セクターそれぞれが「デジタルルーブル」導入の恩恵を受けることができるという。例えば、送金の際にかかる手数料が、銀行間の送金と比べて安くなるといったことが挙げられる。

「デジタルルーブル」とは、現金の形をとらずに、データとして存在するルーブルを指す。電子マネーや暗号資産とは違い、ロシア中銀のみが発行することができる。利用者は自身の口座を開設している金融機関でデジタルウォレットを発行し、「デジタルルーブル」を管理する。

実証実験までの手順については、2021年末までに「デジタルルーブル」のプラットフォームを仮作成し、2022年1月に関連法案を改正、2022年の第1四半期に実験を開始する予定。その後は、実験結果を基に「デジタルルーブル」導入に必要な工程と期間を定めたロードマップを作成することになっている(「タス通信』2021年4月8日)。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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