海外移転の防止や産業安全確保を目的とした中小工場のスマート化を支援

(韓国)

ソウル発

2021年04月26日

韓国の中小ベンチャー企業部は4月15日、製造企業の海外移転(オフショアリング)の防止や海外工場の国内回帰(リショアリング)、および産業安全の確保に資する工場のスマート化を支援するため、(1)素材・金属分野、(2)自動車分野、(3)電気・電子分野、(4)新型コロナウイルス関連分野の4分野、17製品を指定し、技術開発支援を行う旨を発表した。同部は17製品の技術開発提案(RFP、添付資料表参照)を公告し、提案が採択された場合、2年間で10億ウォン(約1億円、1ウォン=約0.1円)の技術開発費用を支援する。

RFPを公告した17製品の主な内容は以下のとおり。

1.ブレーキパッド製造工程の改善技術開発

粉末材料の混合、工程間の移動、熱処理など手作業や危険度の高い製造工程を含んでいるため、韓国企業は中国など海外に工場を移転し、輸入依存度が高くなっている。製造工程の自動化に関する技術開発を支援し、生産性の向上とオフショアリングの防止、リショアリングを促す。

2.プラスチック容器の成形・組立工程の改善技術開発

表面処理や検査の工程は多くを手作業に依存し、労働生産性は製造業平均の66.5%と低い。国内の人件費が上昇する中で工場が海外に移転する可能性が高いことから、目視検査の自動化、全工程の自動化に関する技術開発を通じ製品の競争力を確保する。

3.半導体用ペリクルフレーム工程の改善技術の開発

不良品除去と平準化作業を手作業で行っていることから、人件費の安い海外での賃加工(アウトソーシング)が増加している。そのため、工程の自動化を支援し、海外生産比率を低下させることで国内半導体の持続的発展を支援する。

詳細は、中小企業技術開発事業総合管理システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから閲覧が可能。5月17日まで提案を募集している。

(当間正明)

(韓国)

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