中南米各国で劇場版「鬼滅の刃」が公開、初日の入場者数が歴代1位に

(メキシコ、中南米)

メキシコ発

2021年04月26日

劇場版「鬼滅の刃・無限列車編」が4月22日、メキシコを含む中南米8カ国で公開され、多くの国でアニメ分野の映画として初日の入場者数で1位を記録した。ブラジル、ペルー、チリでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、政府当局より映画館の運営が停止されているため、5月に公開を予定している。

劇場版の鬼滅の刃は、アニメコンテンツを中心に扱うメキシコのケン・メディア(KEM Media)による配給で、中南米での映画上映ライセンスは同社が独占している。メキシコでは映画館業界1位のシネポリス(Cinépolis)の405スクリーンで上映を開始した。シネポリスは、メキシコのほかに中南米10カ国、中東4カ国、アジア2カ国、および米国とスペインの計18カ国に進出している多国籍企業だ。

ケン・メディアは、4月23日時点で約7万4,000人のTwitterフォロワーを有し、年間を通じて日本のアニメの映画上映のみならず、ストリーミング配信なども行っている。新型コロナウイルス感染拡大以前は「コンニチハ・フェスティバル」という日本映画祭を毎年、メキシコ各地で開催していたが、現在は映画館への配給とオンライン配信を主としている。同社代表のエリカ・ロドリゲス氏はジェトロの取材に対し、「過去にジェトロの事業に参加した際、鬼滅の刃の映画化について情報を得て、その時から中南米での放映権の獲得に動いていた」と述べた。

6カ国でアニメの歴代興行収入1位に

ジェトロが4月23日に、シネポリスのマルコ・ダミアン中南米マーケティング部長にインタビューをしたところ、「鬼滅の刃は、シネポリスが公開してきた歴代のアニメ映画の初日の入場者数を抜き、第1位となった。前売券だけでも16万枚以上と歴代最高で、上映期間の終了時には過去最高の入場者数になることは間違いない」と語った(添付資料表1参照)。また、中南米諸国ではメキシコを含め6カ国で、チケット販売数で1位を獲得した。他方、人口1万人当たりの入場者数でみると、コスタリカが9.4人、パナマが7.5人となり、メキシコの5.9人を上回った(添付資料表2参照)。

(志賀大祐)

(メキシコ、中南米)

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