非自動輸入ライセンスの対象品目を見直し

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年04月15日

アルゼンチン工業生産・開発省は3月15日、商業手続き・政策事務局規則7/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、非自動輸入ライセンスの対象品目を2020年10月以来初めて見直した。3月11日に公布した同規則5/2021号に誤りがあったため、今回の規則によって修正した。その結果、石油など5品目を対象から除外し、8品目を追加した(添付資料表参照)。

アルゼンチンで商品を輸入するには、輸入ライセンスを取得しなければならず、全ての品目が輸入ライセンスの取得対象となっている。輸入ライセンスには「自動輸入ライセンス」と「非自動輸入ライセンス」の2つがあるが、このうち非自動輸入ライセンスの取得がここ数年、アルゼンチンの外貨不足を背景に難しくなっており、輸入が滞る原因となっている。非自動輸入ライセンスの対象品目は生産省商業庁決議523-E/2017外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの別添IIからXIVにメルコスール共通関税分類番号(NCM)で示されているが、1,000を超える品目が対象となっている。輸入者は「輸入の総合モニタリングシステム(SIMI)」を通じて輸入ライセンスを申請し、開発工業・生産省が審査を行う。

輸入者は輸入ライセンスに加えて、輸入代金決済用外貨を取得するために取引銀行を通じて中央銀行の承認を得なければならない。SIMIによる輸入ライセンスの申請と中銀への外貨の申請は異なる手続きで、極論すれば、SIMIで輸入ライセンスを取得しさえすれば輸入通関は可能だが、中銀の承認がなければ輸出者への代金支払いはできないため、実際に商品を輸入するには2つの手続きはセットで行わなければならない。一般的には、まずは輸入ライセンスを申請し、それが承認されたら中銀への申請という流れになる。

農業機械や資材を輸入する農業セクターの事業者によると、自動輸入ライセンスの対象品目で、かつ補修部品、資本財の輸入であれば、「輸入ライセンスの取得と外貨の承認は得られやすい」という。他方、非自動輸入ライセンスの対象品目の輸入は「非常に難しい」という。

輸入ライセンスの問題はアルゼンチンで商品を輸入販売する企業の共通の問題であり、メルコスール域内外の政府も問題視している。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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