ファーウェイ、モバイルペイ市場に参入

(中国)

上海発

2021年04月05日

3月25日の企業信用調査を行う天眼査のデータベースによると、華為技術(ファーウェイ)は深セン市企業の諮聯智付網絡(以下、諮聯智付)を買収し、移動電話支払い(モバイルペイ)の資格を獲得した。

ファーウェイの決済ツールであるファーウェイペイは2016年にリリースされたが、ファーウェイは電子決済資格を有しておらず、中国銀聯の第三者決裁システムである銀聯曇閃付(クラウドクイックペイ)を利用するものだった。ファーウェイは、今回の諮聯智付の買収により電子決済資格を取得することになる。

中国支払清算協会が発表した「2020年モバイルペイユーザーアンケート調査レポート」によると、モバイル支払いを利用するユーザーが使うツールとして、ウィーチャットペイが92.7%、アリペイが91.0%、クラウドクイックペイが74.9%の3つが中心で、それ以外のツールはごくわずかに限られている。一方で、近年は大手共同購入のEC(電子商取引)プラットフォームの拼多多(Pinduoduo)などが、電子決済資格を有する企業を買収して自社で第三者決済システムをつくり、電子決済にかかる手数料などの費用を節約しようとする動きが増加している。

携帯電話業界アナリストの孫琦氏は「ファーウェイの中国国内のユーザー数は2億人を超えており、今回の買収はモバイルペイ市場参入にメリットになる」と述べた(「中国証券報」3月28日)。

(侯恩東)

(中国)

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