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スペイン政府、2021年GDP成長率見通しを大幅に下方修正

(スペイン)

マドリード発

2021年04月22日

スペイン政府は4月9日に発表したマクロ経済予測で、スペインの2021年の実質GDP成長率を6.5%とした。2020年10月発表の前回予測から3.3ポイントの大幅な下方修正。スペインや欧州主要国における新型コロナウィルス感染拡大による年末年始の移動・営業規制強化や、2021年1月の歴史的な降雪による一時的なサプライチェーン寸断により、年初の経済活動に影響が生じたことを引き下げの直接的な理由としている。

EU復興基金の遅れがネックに

政府は前回の成長率予測(9.8%)では、EU復興基金による2.6ポイントのGDP押し上げを見込んでおり、その効果を考慮しない場合のGDP成長率は7.2%としていた(添付資料表参照)。しかし、スペイン中央銀行が1月に指摘したように、復興基金の進展には少なくとも1四半期の遅れが出ていることから、今回はより現状に即した慎重な予測となった。

前回予測は2021年予算案のベースでもあったが、当初から「楽観的すぎる」との指摘があり、2021年に入り複数の機関が2021年の見通しを相次いで引き下げている。直近の主要機関見通しは、スペイン中銀が6.0%、IMFが6.4%、欧州委員会は5.6%となっている。

政府は2021年の成長を左右する要素として、(1)夏までに16歳以上人口の7割がワクチン接種を完了できるか、(2)世界全体で景気刺激策やワクチン接種が進み、ユーロ圏向けの輸出不調を相殺できるか、(3)一時帰休(レイオフ)支援や流動性・支払能力強化などの企業支援策により経済・雇用への構造的な影響を抑えられるか、という点を挙げている。

そして、経済回復の相当部分は2022年にずれ込むとして、2022年の成長率見通しを7.0%とし、同年末には新型コロナ感染拡大前(2019年)の経済規模に回復する、と予測している。

なお、2021年の失業率見通しは15.2%と、前回から改善されている。これは、政府がレイオフ支援を現在の期限の5月末から大幅に延長する意向で、それにより失業者の発生を一時的に抑制する効果が続く見通しのためだ。

政府は4月下旬に、EU復興基金の支出計画とそれに付随する構造改革の最終案を欧州委員会に提出する予定。ペドロ・サンチェス首相は4月13日、モビリティ電動化や住宅改修、中小企業デジタル化をはじめとする大型投資プログラムへの支出額を発表し、「計画承認と同時に投資を実行する準備はできている。その恩恵はすぐに表れるだろう」と、経済・雇用の早期回復に期待を寄せた。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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