デリー準州、夜間外出禁止令を発表

(インド)

ニューデリー発

2021年04月07日

インドでは、4月5日の新型コロナウイルス新規感染者数が、過去最大となる10万人を超えた。デリー準州では、2月には1日の新規感染者数が100人を切っていたのが、ここ数日は3,000人台後半から4,000人台で推移するなど、インド全土で第2波となる感染が急拡大している。そんな中、4月6日にデリー準州政府は、4月30日までの期間、午後10時から翌日朝5時までの夜間外出禁止令を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ただし、医療従事者、警察、消防、セキュリティーガードなど不可欠業種(essential service)に従事する公務員は対象外となる。また、食品、医薬品、銀行、通信、食料などの宅配、電気ガスなどを扱う民間業者も対象外となり、市民の生活における大きな影響はないとみられる。

州内・州外の移動・物流は特別な許可を取ることなく認められ、製造業においても不可欠製品(essential commodities)の生産や夜間も継続的な操業が必要な製造は許可される。

なお、外出禁止以外の時間は通常どおりの社会・経済活動が継続されるため、2020年に実施された厳格なロックダウンのような大きな混乱と影響はなさそうだ。

デリー準州政府は、夜間外出禁止の厳守、感染予防策の徹底、ワクチン接種の奨励を呼び掛けているが、新規感染者増加の勢いが収まらない場合、さらなる厳格な措置が適用される可能性もある。また、マハーラーシュトラ州のように、インド国内の各州でそれぞれ厳しい行動規制やロックダウン措置が取られることも予想される。

(村橋靖之)

(インド)

ビジネス短信 0f64a94fee4e7336