IMF、中国の2021年の成長率を8.4%に上方修正

(中国)

中国北アジア課

2021年04月08日

IMFは4月6日に発表した経済見通しで、2021年の中国の経済成長率を8.4%と、1月時点の予測(8.1%)から上方修正した(2021年4月7日記事参照)。IMFは、効果的な新型コロナウイルス封じ込め策や強力な公共投資、中央銀行の流動性支援が強力な回復を促した中国と、その他の新興国・開発途上国の間で、少なからぬ差異が浮き彫りになるとしている。また、2021年には中国は緩やかに財政引き締めに向かい、金融政策は引き続き実体経済支援的だが、2022年には金融政策も徐々に引き締めに向かい、ほぼ中立になると予想した。このほか、米中間の緊張も、国際貿易、知的財産権、サイバーセキュリティーを含む多くの分野で高まったままだとした。そして、中国の2022年の成長率は5.6%と見通した。ちなみに、OECDは3月9日に、中国の2021年、2022年の成長率をそれぞれ7.8%、4.9%と予測していた。

冬期に小規模ながら一部都市で一時的な新型コロナウイルス感染拡大もあり、春節も相まって2021年1月、2月の中国企業の景況感は勢いが弱まったが、3月になって上向いた。国家統計局と中国物流購買連合会が3月31日に発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)は、春節休暇の反動もあり、前月よりも1.3ポイント上昇の51.9となった 。4カ月ぶりの上昇で、景況感の改善と悪化の境目となる50を13カ月連続で上回った。国家統計局サービス業調査中心の趙慶河高級統計師は同日、春節休暇が終了し、企業生産の回復が加速したなどとし、「中国経済は総体的に拡大基調が続いている」と評価した。

PMIを構成する指数では、生産が前月より2.0ポイント上昇の53.9、新規受注が2.1ポイント上昇の53.6などと好調だった。また、PMI関連指数では、新規輸出受注が51.2、輸入が51.1などとなった。

企業規模別でみたPMIは、大型企業、中型企業、小型企業でそれぞれ52.7、51.6、50.4といずれも50の境界を越えた。前月より、それぞれ0.5ポイント、2.0ポイント、2.1ポイント上昇した。小型企業は4カ月ぶりに50を上回った。

非製造業のビジネス活動指数は56.3で、2021年1月の52.4、2月の51.4より、大きく上昇した。

(宗金建志)

(中国)

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