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2021年1月の貿易が輸出入とも過去最大の落ち込み、EU輸出は4割減

(英国)

ロンドン発

2021年03月16日

国民統計局(ONS)が3月12日に発表した2021年1月の英国の貿易統計(季節調整済み)によると、同月の輸出は前月比18.3%減の225億ポンド(約3兆4,200億円、1ポンド=約152円)、輸入は22.8%減の323億ポンドと大幅減だった。いずれも月別の集計を開始した1997年1月以来、最大の落ち込みとなった。前年同月比では、輸出が24.8%減、輸入が12.6%減だった。

大幅減の背景には、新型コロナウイルス感染拡大や、英国のEU離脱(ブレグジット)に続く移行期間が2020年12月末で終了したことがある。とりわけブレグジットの影響は顕著で、移行期間終了により新たな通商関係が始まったEUとの貿易は、EU以外の国々と比べ、輸出入とも大きく落ち込んだ(添付資料図1、2参照)。

輸出では最大の輸出先ドイツや隣国アイルランド、フランスなどで前月比4割以上減少し、輸入はドイツやオランダが約3割、ベルギーは4割近く落ち込んだ(添付資料表1、2参照)。

EUとの貿易では、ブレグジット前にいわゆる「合意なき離脱」の懸念が高まった2019年3月と10月に、在庫積み増しによる輸出入の増加、4月と11月にその反動減がみられていた。今回も2020年11、12月に移行期間終了に備えた在庫積み増しによる増加があり、その反動が2021年1月の減少につながった。

加えて、1月からEUとの間で発生した通関などの手続きが、取引減に拍車をかけた。英国側は輸入手続きの緩和措置を導入しているが(2021年3月15日記事参照)、EU側は原則緩和措置を講じておらず、域外国として手続きが必要になったEU向け輸出での落ち込みが大きく、特に検疫関連書類などの提出も必要となる食品や動物・植物性製品、規制対応が必要な化学工業品などが大幅に減少している(添付資料表3参照)。中でも、年初早々から問題が顕在化した魚介類の輸出(2021年2月8日記事参照)は前月比75.7%減、うちEU向けは88.3%減と激減している。

輸入も広範な品目で減少しており(添付資料表4参照)、このうち前月比44.6%の大幅減となった医薬品(化学工業品の下位分類)などは、重要物資として政府も特に在庫積み増しを求めていた経緯がある。このほか、新型コロナウイルス感染拡大で1月初旬から全国でロックダウン規制が強化されたことによる需要減も影響した。自動車(機械および輸送用機器の下位分類)の輸入は、ショウルーム閉鎖などもあり、33.3%減となった。

1月の急減についてONSは、輸出入が回復に向かっていることを示唆する別の調査結果を引き合いに、一時的なもの、との見方を示した。他方、英国経営者協会(IoD)や物流業界団体ロジスティクスUKなどは統計発表当日に声明を出し、この落ち込みが長期化しないよう対策を講じるべきと政府に要求している。

(宮崎拓)

(英国)

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