国家電気自動車政策委員会が新たなEV目標を設定

(タイ)

バンコク発

2021年03月30日

タイの国家電気自動車政策委員会(NEVPC)が3月24日に開催され、低炭素社会の実現を目標として、電気自動車(EV:電動バイク、電動バス・トラックを含む)の生産・利用促進に関する方針が議論された(政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。議長を務めたスパタナポン副首相兼エネルギー相によると、二酸化炭素(CO2)排出や大気汚染の原因となる内燃機関の使用を止め、ゼロカーボン化を目指すという世界的な潮流に従い、タイのEVに関する計画や目標が再設定された。委員会には、スリヤ工業相や、関係省庁の高官らが出席した。

新たな計画では、2025年にEVの価格が従来のエンジン駆動車と同等になると予想。タイが世界の中でEV・同部品の生産拠点としての地位を確立するため、NEVPCは工業省、エネルギー省、運輸省に対し、EVの普及を共同で推進するよう求めた。

新たな目標では、2025年までに累計105万1,000台のEV生産を目指す(添付資料表参照)。内訳は、自動車・ピックアップトラックが40万台、バイクが62万台、バス・トラックが3万1,000台。メーカーが早期にEVを国内生産できるよう、工業省などが支援する。

2035年までには、累計1,841万3,000台のEV生産(自動車・ピックアップトラックが862万5,000台、バイクが933万台、バス・トラックが45万8,000台)を目標とする。同年のEV利用台数は1,558万台を目指す。

また、NEVPCは(1)早期の施策として、EVの利用促進、充電ステーションやバッテリー試験センターの設置促進、環境に配慮したバッテリー廃棄物管理計画の構築などを行い、(2)今後1~5年では、物品税を再構築し、EV・バッテリー廃棄物の管理も安全性の高い国際的環境基準に沿ったかたちで進める。

今回の会合において、タイ政府のEV生産・利用促進政策に対応するため、(1)EV・部品生産促進分科会、(2)インフラ・電池開発分科会、(3)EVの燃料・温室効果ガスへの影響評価分科会、(4)効率的・効果的なEV利用促進に関する分科会を設置することも合意された。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

ビジネス短信 e9f8ef14f352bbd9