連邦上院選、与党PTIが辛くも勝利

(パキスタン)

カラチ発

2021年03月09日

パキスタン連邦上院議会(定数100)の約半数に当たる48議席(注)の任期満了に伴う改選が3月3日に行われた。8日現在で選挙管理委員会の正式発表はないが、各種報道によると、即日開票の結果、イムラン・カーン首相率いる与党パキスタン正義運動(PTI)が48議席中18議席を獲得し、第1党を確保した(各紙3月4日付、添付資料表参照)。

選挙後の上院勢力は、PTI(25議席)と、PTIと連立を組むバロチスタン人民党(BAP、13議席)とパキスタン・ムスリム・リーグ・クアイデアザム派(PML-Q、1議席)などで計47議席となったが、野党が53議席を占め、過半数には届かなかった(「ドーン」紙3月4日)。ただし、最大野党パキスタン・ムスリム・リーグ・ナワズ派(PML-N)は5議席、野党第2党のパキスタン人民党(PPP)は8議席にとどまった(改選後、PPPが最大野党となった)。

注目されたイスラマバード選挙区でのアブダル・ハフィーズ・シェイク候補(現職の財務・歳入相、PTI)と野党統一候補サイエド・ユスフ・ラザ・ギラーニ候補(元首相、PPP)との対決は、予想に反してギラーニ氏が勝利した。この敗北を重くみたカーン首相は3月6日、下院で首相自身の信任投票を行い、341票中178票を獲得して信任を得ることができた(「BR」紙3月7日付など)。

(注)本来の総議席数は104で、半数の52議席が改選される予定だったが、連邦管轄部族地域(FATA)の8議席のうち今回改選の4議席がカイバル・パクトゥーンクワ州(KPK)の議席に統合されたため、52議席から4議席を除いた48議席が今回選挙の対象となった。選挙の対象とならなかった現職議席数は52議席。

(山口和紀)

(パキスタン)

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