2021年1月13日からの最低賃金引き上げで決着

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年03月04日

ルーマニア政府は1月13日、政府決定第4号により、同日から最低賃金(グロス)を月額2,300レイ(約5万9,800円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約26円)に引き上げると発表した。従来の2,230レイから3.1%増となり、時給ベースでみると、1時間当たり13.33レイから13.58レイに上がる。また、大学などの高等教育を必要とする職務の場合、引き続き例外措置として最低賃金(グロス)は2,350レイで据え置きとなる(時給ベースでみると、1時間当たり約13.88レイ)。これは、高等教育を受け、なおかつ、その高等教育の専門分野で1年以上の労働経験を有する者が該当する。1月13日の労働・社会保護省の発表によると、2021年の最低賃金改定の根拠として、2020年のインフレ率(2.2%)と1人当たりの労働生産性の実質増加分(0.8%)が考慮された。国内530万人の従業員のうち、26.4%に当たる約140万人の従業員が最低賃金の引き上げの影響を受けることになる。

一方、この引き上げ基準日を政府決定発出日の1月13日にするか、年初の1月1日にするか、政府内で曖昧な対応が続いたが、前者とすることで決着した。政府は1月15日の閣議で、政府決定第4号を修正し、1月1日から適用とする草案を提出していたが、政府はこの改正案を断念した。最低賃金の調整が必要な国内企業は対応に苦慮している。

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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