約1年ぶりに学校の対面授業再開も、新型コロナ感染第3波の到来を懸念

(チリ)

サンティアゴ発

2021年03月10日

チリの学校の新学期が3月1日に始まり、初等・中等教育の対面授業が約1年ぶりに再開した。チリでは新型コロナウイルス感染者増加の懸念から、2020年3月16日に休校措置を講じていた。なお、保護者の判断で子どもの対面授業への出席可否を決定でき、オンライン授業を継続することも可能となっている。

教育省によると、3月1日時点で国内にある学校全体〔規制緩和計画の第1段階(注1)に指定されている地域の学校は除く〕の30%に当たる2,470校が対面授業を再開している。一方、学校内で感染する可能性を懸念し、教員のワクチン接種が完了した後に対面授業を再開するとした地域もあり、政府は教員へのワクチン接種計画を推進している。

ワクチン接種計画は順調に進む

3月5日時点のチリの1日当たり新規感染者数は5,325人で、2020年6月21日以来の5,000人超となった。アクティブな感染者数(注2)も2万7,317人と、第1波の感染ピークとなった2020年6~7月の水準近くまで上昇している。保健省は、バケーションシーズンが終わり、その間に感染した者に加え、対面授業や通勤の再開による人々の移動の増加により、3月に感染が拡大する可能性があるとみている。一方で、政府はワクチン投与計画(2021年2月3日記事参照)を進めており、3月5日時点で、1度目のワクチン接種を終えた者は約400万人、2度目の接種終了者は約44万人と好調なペースで進んでいる。

(注1)外出禁止措置(Cuarentena)が発令されている状態で、5段階ある規制緩和計画の中で最も厳格な措置が講じられている。

(注2)発症後や陽性確定後、または検体採取後15日以上経過していない感染者または感染疑義者(死者を除く)

(岡戸美澪)

(チリ)

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