米CDC、ワクチン接種後のガイダンスを発表、ニューヨーク州は国内接種完了者の自己隔離を免除

(米国)

ニューヨーク発

2021年03月11日

米国疾病予防管理センター(CDC)は3月8日、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者に向けたガイダンスを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。各種ワクチンで決められた回数の接種を完了してから2週間を経た者が対象となっている(注1)。内容は、ワクチン接種により緩和される事項と、ワクチン接種後も引き続き留意すべき事項を挙げている。

接種後緩和される内容は、次の3点となる。(1)ワクチンの接種を完了させた者同士であれば、屋内でマスクを着用せずに集まることができる、(2)重症化リスクの高い者がいなければ、自分とは別の単一世帯のワクチンを接種していない人(親戚を訪問する場合など)と屋内でマスクを着用せずに集まることができる、(3)集団居住施設などに入居していなければ、新型コロナウイルス感染者と接触しても、感染の症状がない限り自己隔離や検査を受ける必要はない。

接種後も引き続き留意すべき点は、(1)公共の場、2世帯以上の人々と集まる場、重症化リスクが高い者やその同居人と会う際はマスクを着用し、人同士の距離を6フィート(約1.8メートル)空ける、(2)中・大規模の集まりは避ける、(3)国内、海外渡航はなるべく延期する、(4)新型コロナウイルス感染の症状があらわれたら検査を受け、自宅で自己隔離をする、(5)各自職場のガイダンスを順守する、としている。

ニューヨーク州、ワクチン接種済みの国内旅行者に対する自己隔離義務を免除

また、ニューヨーク州では、アンドリュー・クオモ州知事が3月4日、過去90日以内にワクチン接種を完了した他州からの旅行者に対し、到着後の自己隔離を免除すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。なお、海外からの渡航者に関しては、CDCのガイダンスに基づくべきだとし、ワクチン接種を受けていても到着後の自己隔離の免除はされない。

ワクチン接種を受けていない隣接州(注2)以外の州からの旅行者と、海外からの渡航者は引き続き、到着後10日間(注3)の自己隔離が義務付けられている。しかし、出発前3日以内に検査を受け陰性であり、到着後3日間の自己隔離をし、4日目に再度検査を受けて陰性であれば、その時点で自己隔離の残り日数が免除される。

また同州では、ワクチン接種の有無に限らず、海外からの渡航者を含め、隣接州以外からの旅行者全員に対し、引き続き事前に健康状態をオンラインで入力外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、提出することを義務付けている。

なお、ニューヨーク州を離れて24時間以内に戻る者に対しては、移動前の検査と戻った後の自己隔離は義務付けていないが、上記フォームより健康状態を提出することと、戻ってから4日目に検査を受けることを義務付けている。

(注1)ファイザー製とモデルナ製は2度の接種、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1度の接種でワクチン接種完了とされている。

(注2)ペンシルベニア、ニュージャージー、コネティカット、マサチューセッツ、バーモント州。

(注3)ニューヨーク州で定められている自己隔離期間は2020年12月29日から、14日間から10日間に緩和された。

(吉田奈津絵)

(米国)

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