王毅外相、中国版の国際旅行健康電子証明のリリース表明、各国との相互認証構築も視野

(中国、世界)

北京発

2021年03月10日

中国の王毅国務委員兼外交部長は3月7日、「中国の外交政策と対外関係」に関する記者会見で、中国版の国際旅行健康電子証明をリリースすると表明した。2020年11月21日に開催されたG20サミット(首脳会合)で、習近平国家主席が新型コロナウイルス対策の関連で、PCR検査結果に基づき国際往来のためのQRコード形式による健康コードの国際相互認証システムの構築を提案しており、それを受けたものとなる。

王外相は、中国版の国際旅行健康電子証明では、個人のプライバシーを十分に保護する前提の下で、PCR検査やワクチン接種などの情報の相互認証を実現し、安全で秩序ある人の往来を支援するとした。

外交部の趙立堅報道官は翌8日、同証明は中国側出国者のPCR検査や血清IgG抗体検査結果、ワクチン接種状況などの情報を表示するもので、電子証明と紙証明の2種の形式があり、暗号化されたQRコードを含み、中国側が提供する公式鍵認証によって情報を読み取ることができると説明した。また、各国との健康コード情報の相互認証メカニズムの構築を検討していると述べた。

なお、3月9日時点で、微信(ウィーチャット)上のミニアプリ「防疫健康コード国際版」の出国者に対する項目の中に、「国際旅行健康証明の表示」の機能が実装されている。

(藤原智生)

(中国、世界)

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