タイ中銀、2021年と2022年の経済見通しを下方修正

(タイ)

バンコク発

2021年03月25日

タイ中央銀行(BOT)は3月24日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置く(全会一致)と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。政策金利の据え置きは7会合連続となった。

BOTの発表によると、タイ経済は回復傾向にあるものの、今後の見通しは依然として不確実性が高く、低金利政策を継続する必要がある、との見解を示し、政策金利の維持を決定した。今後も同政策を継続し、経済を下支えする。

さらに、BOTは、2021年および2022年の経済見通しを下方修正した。2021年のGDP成長率予測を2020年12月時点での予測3.2%から3.0%に、2022年のGDP成長率予測を同4.8%から4.7%にそれぞれ下方修正した。下方修正の要因としては、外国人旅行者の受け入れが当初の想定よりも進んでいないこと、タイ国内における新型コロナウイルス新規感染者の増加などを挙げた。

経済見通しは、貿易相手国経済の回復によって商品などの輸出が加速すること、政府が実施する経済刺激策が景気を下支えすることなどがプラス要因となる。他方、リスク要因としては、ワクチンの有効性や普及の遅れ、外国人観光客の受け入れが進まないこと、継続した財政支援の不確実性などを挙げた。

(岡本泰)

(タイ)

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