2020年のCPI上昇率は前年比マイナス2.1%、2年連続の下落

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2021年03月12日

アラブ首長国連邦(UAE)の連邦競争力・統計局は3月初旬、2020年の消費者物価指数(CPI)統計を発表した。UAEのCPI上昇率は前年比マイナス2.1%となり、2019年(マイナス1.9%)に続いて2年連続の下落となった。四半期ごとにみても、2019年第2四半期から6期連続で下落しており、新型コロナウイルス感染拡大が低下傾向に拍車をかけた格好となった。

主要支出項目別にみると、前年比で大きな低下要因となったのは教養・娯楽費(前年比16.7%減)で、「新型コロナ禍」による外出禁止令やイベントの減少、観光客の激減が影響したものとみられる。また、2017年からの不動産価格の低迷により、住宅費(3.7%減)も低下が続いている。他方で、上昇したのは酒類・たばこ(5.9%増)や衣類・靴(4.8%増)、食品・飲料(3.7%増)などの項目だった(添付資料表参照)。

上記の項目別に、2019年の上昇率(前年比)と比較すると、教養・娯楽費をはじめ、食品・飲料、衣類・靴などで大きな違いがみられた(添付資料図参照)。全体では2年連続のマイナスとなったが、「新型コロナ禍」などの影響もあり、要因ごとの変化があったとみられる。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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