デザイン分野で3D映像を駆使したバーチャル展示会を開催

(世界、京都)

京都発

2021年03月12日

ジェトロは2月1日から2月26日にかけて、「バーチャル展示・商談会in京都外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。バーチャル展示会にはデザイン分野の京都府内企業45社が出展し、海外バイヤー15社が参加した。

新型コロナウイルスの影響で展示会が軒並み中止となり、また海外バイヤーの招聘(しょうへい)も困難な中、京都の金戒光明寺に出展企業が自社ブースを設営し、その様子を3Dで撮影することによりオンライン上に展示会場を再現した。バイヤーはバーチャルに展示ブースを訪問できるほか、個々のブースから各社のウェブサイトにアクセスし、情報を入手することができる。また、撮影は紅葉シーズンに行われ、サイトを訪れたバイヤーは「京都の秋」を楽しめる仕組みともなっている。

また、バーチャル展示サイト公開と併せて、会場となった金戒光明寺の歴史や背景について解説を行った「金戒光明寺解説ツアー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」や、京都の伝統工芸である京鹿の子絞りの製作工程の動画とともに、職人に直接質問できる「京鹿の子絞りバーチャル工房ワークショップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を実施するなど、新型コロナウイルスの影響により日本を訪れることができない海外バイヤーに訴求する取り組みも行った。こうした動画を通じて、海外バイヤーは京都の商品の背後にある京都ブランドのストーリー、歴史を改めて理解することもできる。

3D映像を活用したことで、質感やサイズ感といったオンラインでは伝わりにくい情報も十分に伝えることができた。また、B2BサイトやB2Cサイトを持つ企業はそれらのECサイトへのリンクを掲載することで、バイヤーが直接商品購入できる仕組みも取り入れるなど、オンラインならではのプラス面もあった。一方で、時間のないバイヤーからは、企業情報や製品情報は従来どおりカタログで確認したいという要望もあったほか、和物感が強いとの反応もあった。

写真 バーチャル展示サイトの様子(ジェトロ撮影)

バーチャル展示サイトの様子(ジェトロ撮影)

(中埜剛志)

(世界、京都)

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