民間エコノミストの2021年経済指標の見通しが若干改善

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年03月15日

アルゼンチン中央銀行は3月5日、国内外43人の民間エコノミストを対象に2月24~26日に実施したアンケート結果に基づき、最新の経済見通しの集計中央値(REM)を発表した(添付資料表参照)。1月後半に実施した前回アンケート結果より見通しが改善した。

2021年の消費者物価上昇率(総合インフレ率)とコア物価上昇率(コアインフレ率)の見通しはともに48.1%と、前回調査比でそれぞれ1.9ポイント、3.9ポイント低下した。2021年2月の為替レートの月平均値見通しは1ドル118.6ペソで、前回調査比6.4ペソ低下した(ペソ高になった)。実質GDP成長率見通しは6.2%で、前回調査比で0.7ポイント改善した。

2021年の輸出額(FOB)は615億5,000万ドル、輸入額(CIF)は492億ドル、貿易収支は123億5,000万ドルの黒字となる見通しだ。輸出入額ともに前回調査比で増加するとし、貿易黒字額は前回調査比で9,600万ドル増となった。2021年〔第4四半期(10~12月)〕の完全失業率の見通しは11.0%で、前回調査比で増減はなかった。

一方で、3月5日付の現地紙「iプロフェッショナル」(電子版)は、民間調査会社フォーカスエコノミックスが国内外40人の民間エコノミストを対象としたアンケート結果を取り上げた。その結果では、2021年12月の為替レートの平均見通しは126.48ペソとなっている。調査に参加したエコノミストらは「政府はインフレを抑制するために為替レートの大きな変動を抑制する戦略だ」とし、「労働組合との賃上げ交渉も年間30%をめどに交渉を開始している」と説明している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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