2020年のインド進出日系企業数は前年並みを維持

(インド)

ニューデリー発

2021年03月25日

在インド日本大使館は3月15日、ジェトロなどと共同で作成した「インド進出日系企業リスト(2020年10月時点)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。進出日系企業数は1,455社で前年並み(前年比1社増)を維持したが、拠点数は4,948カ所で前年比1.5%減(74拠点減)と、2年連続で減少した(添付資料図参照)。

日本人がインドで起業した宿泊業・飲食サービス業などの小規模企業8社を含む57社が出資引き上げや合併・統合などで撤退した一方で、新規進出や新規出資会社が同程度存在したことにより、企業数は前年並みとなった。一方、大規模な拠点の統廃合が進んだことで拠点数は減少した。

州別ではハリヤナ州が最多で上位5州の顔ぶれは変わらず

州別の進出日系企業数をみると、ハリヤナ州が412社と最も多く、マハーラーシュトラ州が250社、カルナータカ州が220社、タミル・ナドゥ州が200社、デリー準州が145社で続いた。順位を含めて、上位5州の顔ぶれに変動はなく、この5州で進出日系企業全体の約85%を占めた(添付資料表1参照)。特にハリヤナ州は、新興都市グルグラムを中心として、空港や首都デリーへの良好なアクセスと日本人向けの食住インフラの充実などを理由に、日系企業の一大集積地となっている。

業種別では製造業が引き続き牽引

業種別にみると、製造業が49.3%と約半数を占めた(添付資料表2参照)。内訳は、輸送用機械器具が最多の10.7%で、これに化学工業が5.8%、電気機械器具が5.3%、金属製品が4.5%と続いた。製造業に次ぐ業種では、卸売業が12.9%、情報通信業が5.9%、運輸業・郵便業が4.9%と大きな傾向は変わっていない。

宿泊業・飲食サービス業は、前年比23.6%減(17社減)と大きく減少した。これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う同分野への影響が反映されたと同時に、日本人駐在員・家族の一時退避などにより日本人向け売り上げが急減したことで、撤退を余儀なくされたことが一因とみられる。

(宇都宮秀夫)

(インド)

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