3月11日から、標準作業手順書違反者への罰則強化
(マレーシア)
クアラルンプール発
2021年03月03日
マレーシア政府は3月11日から、新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動制限令下における制限事項を規定する標準作業手順書(SOP)に違反した者と企業への罰則を強化する。
SOP違反への罰金額が大幅増
政府による活動制限は「1988年感染症予防管理法」に基づいて実施される。政府は2月25日、1月11日施行の非常事態宣言を受けて、「2021年非常事態(感染症予防管理)規則」を策定し、「1988年感染症予防管理法」の一部を改正した(2021年1月13日記事参照)。これにより、SOPに違反した個人に対する罰金は1万リンギ(約26万円、1リンギ=約26円)、企業に対する罰金は5万リンギとなる。違反に対して、裁判となって有罪判決が出た場合は、10万リンギまたは7年以下の懲役、またはその両方が科せられる。
また、感染者や濃厚接触者などに対して、政府当局が支給するリストバンドまたは追跡用デバイスの装着を義務付けることも明記された。
これまでの罰金は1,000リンギで、保健省は8月ごろから現在の物価水準を考慮した金額の引き上げを提案していた。他方で、日系企業をはじめとする産業界や国民からは、SOPの記載が不明瞭という声も上がっている。特に日系企業にとっては、SOPの発表がマレー語のみである点も問題となっている。
(田中麻理)
(マレーシア)
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