2020年第4四半期のGDP成長率、前期比3.1%

(オーストラリア)

シドニー発

2021年03月04日

オーストラリア統計局(ABS)は3月3日、2020年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前期比3.1%だったと発表した(添付資料表1参照)。第3四半期(7~9月)の3.4%に続き、2四半期連続で3%以上の成長を記録したのは史上初めて。ただし、前年同期比ではマイナス1.1%と、引き続き低水準にとどまった。

需要項目別の実質GDPを前期比でみると、新型コロナウイルス感染拡大防止のための制限措置の緩和が一層進んだことから、民間最終消費支出が4.3%増と前期に続き増加した。住宅の新築や改築への助成金や、資産の即時減価償却などの政府の支援策によって、住宅投資や設備投資が促進され、国内総固定資本形成は3.6%増となった。財貨・サービスの輸出入も増加し、輸出は3.8%増、輸入は4.9%増となった。

産業別にみると、鉱業が1.0%減、電気・ガス・水道・廃棄物処理業が0.9%減となったものの、ほとんどの産業が前期比で増加した(添付資料表2参照)。特に、好天に恵まれて農作物が豊作だったことから、農林水産業が26.8%増と大幅に回復した。また、宿泊・飲食サービス業(7.9%増)、不動産業(7.4%増)運輸・郵便・倉庫業(6.1%増)、情報通信業(5.2%増)などの増加も顕著だった。オーストラリアの主要産業である鉱業は、石油・ガスが0.9%増だったものの、石炭が3.8%減、鉄鉱石が1.1%減となった。

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は「オーストラリアは感染抑制と経済回復の両面で世界をリードしている」と自信を見せた。なお、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、GDPが2021年半ばまでに2019年末の水準まで回復し、2021年と2022年ともに3.5%成長すると予測している。

(住裕美)

(オーストラリア)

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