イラン商工会議所、2020年のEU・ロシアとの貿易動向を発表

(イラン)

テヘラン発

2021年03月23日

イラン商工会議所は3月10日、EU統計局(ユーロスタット)のデータに基づき、2020年のイランとEUとの貿易額を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2020年の両地域の貿易は42億4,000万ユーロで、2019年の48億9,000万ユーロと比較して13.35%減となった。貿易相手国は上位からドイツ、イタリア、オランダで、貿易額はそれぞれ17億2,000万ユーロ、6億6,410万ユーロ、3億7,275万ユーロとなった。

2020年のイランからEUへの輸出は6億1,803万ユーロで、2019年の6億6,580万ユーロと比較して7.17%減となった。主な輸出先はドイツ(2億6,340万ユーロ)、イタリア(1億667万ユーロ)、スペイン(5,594万ユーロ)、ベルギー(3,316万ユーロ)、ルーマニア(3,022万ユーロ)だった。ドイツは、イランからの輸入が38.76%増と最も高い増加率を記録した。イランからの主な輸出品目は、果物・ナッツ、鉄鋼、プラスチック、スパイス、カーペットなどとなっている。

2020年のEUからイランへの輸入は、前年比14.32%減の36億2,000万ユーロとなった。イランへの主な輸入元はドイツ(14億6,000万ユーロ)、イタリア5億5,700万ユーロ、オランダ(3億5,185万ユーロ)、フランス(2億5,440万ユーロ)、ベルギー(2億380万ユーロ)だった。主な輸入品目としてはボイラー、機械、医薬品、医療用器具などが挙げられている。

一方、ロシアとの貿易についても3月3日付で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされたが、EUとの減少傾向に対して、2020年のイランからロシアへの輸出は8億ドル相当で、2019年の3億9,000万ドルと比較して約2.1倍の増加となった。

商工会議所の発表の中で、カゼム・ジャリリ駐ロシア・イラン大使は「『新型コロナ禍』とイランに対する米国の経済制裁強化にもかかわらず、ロシアへの輸出量は過去最高を記録した」と述べた。輸入については言及なかったが、同大使は2020年のイランとロシアの貿易総額について、2019年の15億9,000万ドルと比べて43%の増加とし、「イランはロシア市場で、現在よりもはるかに大きなシェアを獲得する能力がある」と述べた。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン)

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