2月単月のインフレ率としては2016年以降最高

(ブラジル)

米州課

2021年03月29日

ブラジル地理統計院(IBGE)は3月11日、代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の2月の上昇率を0.86%と発表した。2021年1月の0.25%から0.61ポイント上昇し、2016年以降の2月単月のインフレ率の中で最も高い数値となった。過去12カ月の累積は5.20%(添付資料図参照)で、ブラジル中央銀行が設定する年間のインフレ目標値(2.25%~5.25%)の上限に迫っている。

費目別にみると、最も上昇率が高かったのは教育(2.48%)、次いで交通・運輸(2.28%)だった(添付資料表参照)。交通・運輸は寄与度が最も高く0.45ポイントとなった。IBGEの11日付プレスリリースによると、交通・運輸の価格が上昇した主な要因は、燃料価格(7.09%)の上昇だという。特に、ガソリンは7.11%で、寄与度も0.36ポイントと高い。また、エタノール(8.06%)とディーゼル(5.40%)価格の上昇も、交通・運輸価格の上昇につながった。

教育の上昇要因について、IBGEの調査マネジャーのペドロ・キスラノブ氏は「2月に授業料を上げた教育機関があった。また、新型コロナウイルスによる対面授業の減少で、授業料を減額していた教育機関も、2月に従来の授業料に戻したことが影響している」と説明している(IBGEプレスリリース)。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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