物流業務は引き続き遅延

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2021年03月03日

ミャンマーでは、2月1日の国軍による権力掌握を契機に、市民の職場ボイコット運動(CDM:Civil Disobedience Movement、以下CDM)が拡大し、物流企業の社員らも参加している。そのため、3月に入っても引き続き、物流のリードタイムに遅延が生じている。また、取引銀行の窓口がCDMの影響で閉鎖されていることもあり、輸出入通関に係る税金の支払いなどができず、日系企業の間でも混乱が生じている。

3月3日現在、ヤンゴンにある税関局や船舶貨物の取り扱いを行う船舶代理局(SAD)の窓口は開いており、輸出入手続きを行うことは可能だ。ただ、従来の新型コロナウイルス対応(公務員の50%出勤措置)もあり、職員の出勤者数は通常より少なく、手続きに時間がかかっている。また、国営のミャンマー経済銀行(以下、MEB)の窓口は開いており、MACCS(ミャンマー電子通関システム)デポジットのためのペイメント・オーダー(支払い指図書)の購入は可能となっている。ジェトロが3月3日午前11時30分(現地時間)にMEBに確認したところ、必要書類がそろっていれば、1日程度で新規口座が開設できるという。

現在、税関局では、CDMのため物流業者が見つからない場合、通関士やトラック輸送業者の紹介を行うなどして、物流遅延の被害を最小限に抑えようとしている。

ヤンゴン郊外に進出する日系の縫製品検品企業は、現在、日本への出荷はできているものの、デモの影響で1日程度、貨物の引き渡しが遅れることがあるという。最近は不審者が工場の周りを徘徊(はいかい)しているとの情報もあり、運転手や従業員の安全をこれまで以上に注意しているとしている。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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