2月の米失業率6.2%に改善、非農業部門の雇用者数は37万9,000人増

(米国)

ニューヨーク発

2021年03月10日

米国労働省が3月5日に発表した2月の失業率は6.2%(添付資料図、表1参照)で、市場予想(6.3%)を下回った。失業者数が前月から15万8,000人減少したことに加え、就業者数が前月から20万8,000人増加したことにより、失業率は前月の6.3%から0.1ポイント改善した。非農業部門の雇用者は37万9,000人増で、2カ月連続の増加となった。

失業者のうち、一時解雇を理由とする失業者数は前月(274万6,000人)より51万7,000人減少して222万9,000人、恒常的な失業者数は前月(350万3,000人)より6,000人減少して349万7,000人となった。

労働参加率(注1)は前月と同じ61.4%だった。長引く雇用難で職探しをやめて労働市場から退出する人が増えていることが指摘されているが、2月の労働力人口は前月から5万人増加した。

2月の平均時給は30.01ドル(1月:29.94ドル)で、前月比0.2%増、前年同月比5.3%増となった(添付資料表1参照)。平均時給は前年同月比で高い伸びを見せているが、娯楽・接客業など相対的に時給が低い業種で就業者が減少していることに起因しているとの指摘がある。

2月の非農業部門の雇用者数の前月差は37万9,000人増と、市場予想(19万8,000人増)を大幅に上回り、2カ月連続の増加となった。1月から2月にかけての雇用増減の内訳をみると、政府部門は8万6,000人減で、2020年末の経済対策成立の影響により7万6,000人増となった前月の反動からか、減少に転じている(添付資料表2参照)。民間部門は46万5,000人増だったが、そのうち財部門は4万8,000人減少した。中でも建設業が6万1,000人減と下げ幅が最も大きくなった一方で、製造業は2万1,000人増となり2カ月ぶりに増加に転じた。サービス部門は51万3,000人増加し、2月の雇用全体の回復を牽引した。特に、娯楽・接客業は35万5,000人増と3カ月ぶりの増加となった。また、小売業は4万1,000人増、対事業所サービスは6万3,000人増、教育・医療サービス業は4万4,000人増となり、サービス部門のほぼ全ての業種で緩やかに回復している(添付資料表2参照)。

米国連邦準備制度理事会(FRB)が3日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック、注2)では、「雇用環境は、ほとんどの地区で緩やかではあるが改善している」と評価しており、2月の結果はこれを裏付けるかたちとなった。

(注1)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(注2)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立って年8回公表されており、銀行からの報告や、ビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。

(宮野慶太)

(米国)

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