ネスレ、北米の飲料水ブランドを売却

(スイス)

ジュネーブ発

2021年02月19日

ネスレは2月17日、ポーランドスプリング、ディアパーク、アローヘッドなどの北米の湧き水や蒸留水の飲料水ブランドを43億ドルで売却することで、米国プライベート・エクイティ(PE)企業のワンロックキャピタルパートナーなどと合意に至ったことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2月17日付のロイター通信によれば、ネスレの北米飲料水ブランド事業における従業者数は米国が約7,000人、カナダが230人超で、2019年の売上高は約34億スイス・フラン(約3,978億円、CHF、1CHF=約117円)だった。

2月18日付「トリビューン・ド・ジュネーブ」紙は、北米飲料水事業部門は前体制までの重点分野だったが、近年は湧き水の過剰摂取が地域の干ばつの原因となっているとして、NGOや住民から繰り返し非難されていることを指摘している。また、世界的な飲料水のブランド展開に注力するため、北米飲料水事業の売却を含めて見直すことが2020年から課題とされていた。今回の売却対象には、ネスレが保有しているグローバルな飲料水ブランドのペリエ、サンペレグリノ、アクアパンナなどは含まれていない。

(和田恭)

(スイス)

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