コミッションビジネスにおける外国人事業法上の留意点

(タイ)

バンコク発

2021年02月12日

タイでは新型コロナウイルス感染拡大後、主に在タイ日系商社からジェトロに、外資マジョリティーの販売会社でコミッションビジネスを新規に行えるかとの相談が増えている。ジェトロが2月5日に外国人事業法(FBA)と外国人事業ライセンス(FBL)を管轄する商務省事業開発局(DBD)にヒアリングしたところ、DBDの見解は以下のとおり。

コミッションビジネスは、以下の場合を除いて、外国資本50%以上の参入を規制している、FBAの第3表の11に該当し、外国企業が外資マジョリティーで行うには、DBDからFBLを取得しなければならない(注)。

  1. 証券販売、商品やその他の金融先物の仲介または代理:タイ中央銀行(BOT)、タイ証券取引委員会(SEC)などが所管する法律で規制されており、DBDの管轄外。
  2. 関係会社への製造・サービスに必要な物品やサービス取引の仲介または代理:国内外の関係会社にへの仲介や代理を行うことができる。例えば、関連会社のホテル向けにセキュリティー会社、掃除会社などを仲介することはできるが、宿泊客の仲介はできない。
  3. 国際事業の形態を有する、タイ国内製品または輸入製品の販売のための国内外の取引の仲介または代理で、外国資本1億バーツ(約3億5,000万円、1バーツ=約3.5円)以上を有する場合:国際事業の形態はイン―アウト(国内企業から国外企業)、アウト―イン(国外企業から国内企業)取引が対象。これらの仲介・代理の場合で1億バーツ以上の払込資本金を有する場合はFBLが不要。払込資本金が1億バーツ未満の場合や、国際事業の形態と見なされないイン―イン、アウト―アウト取引の場合、払込資本金額にかかわらず、DBDからFBLを取得する必要がある。
  4. 省令で定められたその他の仲介または代理

FBL取得にはDBDの許可が必要で、同一企業グループ間で行う事業については、多くの認可事例がある一方、それ以外の事業については、国家に対する貢献度合いも審査上重要な判断基準になるため、一般的に許可取得は難しいと言われる。

なお、ロイヤルティービジネスの場合は、FBA第3表の21「省令で定められたサービスを除くその他のサービス業」と見なされ、DBDからFBLを取得する必要がある。

(注)FBAの第3表はジェトロ・ウェブサイトを参照。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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