電力大手ルミナス、エッセント買収により再エネ分野の取り組み強化

(ベルギー)

ブリュッセル発

2021年02月09日

フランス電力(EDF)のベルギー子会社ルミナスは2月5日、ドイツのエーオングループ傘下エッセントのベルギー法人(以下、エッセント)の全株式を取得することで合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。実際の株式の取得はベルギー競争当局の認可を得た後の2021年第2四半期(4~6月)を見込んでいる。

カーボンニュートラルに向けた取り組み強化

ルミナスはベルギー2位の発電・売電事業者で、国内の発電設備容量の約10%を有している。特に再生可能エネルギー分野に力を入れており、地上風力発電と水力発電では国内最大の事業者となっている。買収されるエッセントは国内5位の事業者で、52万カ所に天然ガスと電力を供給している。ルミナスの国内シェアは買収によって既存の約20%から約25%まで拡大する。今回の買収対象には、エッセントの子会社でソーラーパネルの設置・保守を行うアラルトも含まれており、これはルミナスが進めるエネルギー転換の取り組みの一環とみられる。ルミナスはベルギー南部ワロン地域で再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の供給ステーションを整備する計画を1月20日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、燃料の電化が難しい重量物輸送などの分野の脱炭素化を目指すなど、再生可能エネルギー分野で多角的な取り組みを進めている。供給ステーションの稼働は2022年半ばを目指しており、4カ所の整備予定地の選定を既に終え、一般向けの事前説明会や意見公募を2月初旬から実施し始めた。

今回の買収合意に関して、ルミナスのグレゴワール・ダルマーニュ最高経営責任者(CEO)は、自社のエネルギー転換の取り組みを強化するものとした上で、カーボンニュートラルな未来の実現に貢献するものと述べている。

(山田泰慎)

(ベルギー)

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