1月の米失業率6.3%に改善、雇用者数は4万9,000人増

(米国)

ニューヨーク発

2021年02月08日

米国労働省が2月5日に発表した1月の失業率は6.3%(添付資料図、表1参照)と、市場予想(6.7%)を下回った。新型コロナウイルス感染拡大による影響は続くものの、失業者数が前月から60万6,000人減少したことに加え、就業者数が前月から20万1,000人増加したことにより、失業率は前月(6.7%)から0.4ポイント低下した。非農業部門の雇用者は4万9,000人増で、2カ月ぶりの増加となった。

失業者のうち、一時解雇を理由とする失業者数は前月(303万9,000人)より29万3,000人減少して274万6,000人、恒常的な失業者数は前月(337万人)より13万3,000人増加して350万3,000人となった。

労働参加率(注)は前月(61.5%)から0.1ポイント低下して61.4%だった。

平均時給は29.96ドル(12月:29.90ドル)と、前月比0.2%増、前年同月比5.4%増となった(添付資料表1参照)。平均時給は前年同月比で高い伸びを見せているが、相対的に時給が低い娯楽・接客業などの業種で就業者が減少しているためとの指摘がある。

1月の非農業部門の雇用者数の前月差は4万9,000人増と、市場予想(5万人増)とほぼ同じで、2カ月ぶりに増加に転じた。なお、12月の雇用者数は23万人減と前月の公表時(14万人減)から大幅に下方修正されている。12月から1月への雇用増減の内訳をみると、政府部門が4万3,000人増と、年末に経済対策が成立したことの影響か、5カ月ぶりの増加となった。民間部門は6,000人増で、そのうち財部門は4,000人減少、サービス部門は1万人増加となっている。変動が大きかった業種として、対事業所サービス業が9万7,000人増と引き続き堅調な一方、娯楽・接客業は6万1,000人減と2カ月連続で減少となっている。また、前月増加に転じた小売業も今月は3万8,000人減と再び減少に転じている(添付資料表2参照)。

連邦海軍信用組合のエコノミスト、ロバート・フリック氏は「失業率が大きく改善したことに安心するべきではない。これは、主に労働者が(職探しをやめるなどして)労働力から脱落したためだ」と述べている(「CNBCニュース」2月5日)。

(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(宮野慶太)

(米国)

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