ハンガリー、2021年の最低賃金は4%増で決着、2月から適用

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年02月02日

越年していたハンガリーの政府、経営者団体、労働組合間での2021年における最低賃金交渉は1月25日、4%の引き上げで決着した。ただし、2月1日からの適用となり、1月分には遡及(そきゅう)されない。

労働法では、最低賃金は暦年ごとに見直さなければならないと規定されているが、当初、10%増を要求する労働組合側と、改定なしを主張する経営者団体側との隔たりが大きく、その後、労働組合側が5%増、経営者団体側が3%増の妥協案を提示したものの、合意には至らなかった。「新型コロナ禍」の中では決断が難しいとして、政府は越年を認める政令を制定、1月以降も交渉を続ける方針を示していた。

その後、政労使がともに折れ、労働組合側では最大規模を有するハンガリー労働組合連盟(MaSzSz)は署名しなかったものの、多数決によって4%の引き上げで決着した。

今回の決定により、最低賃金額はこれまでの16万1,000フォリント(約5万6,350円、1フォリント=約0.35円)から16万7,400フォリントに、また、高校卒業以上の資格を有する者は21万600フォリントから21万9,000フォリントに引き上げられることとなった。

また、政府は雇用主負担となっている社会貢献税率について、2021年7月から2ポイント引き下げて13.5%にすることとし、それに伴って最低賃金を7月にはさらに引き上げることで合意したとしている(2021年7月から、最低賃金は16万9,000フォリントに、高卒以上の場合は22万1,000フォリントになる)。

なお、社会貢献税率については2017年から6年かけて、毎年2ポイントずつ削減すると明記されているが、これは各年第1四半期の実質賃金の上昇が条件となっている。

(バラジ・ラウラ、末廣徹)

(ハンガリー)

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