2020年の日本の対エチオピア貿易、トラックが輸出を牽引

(エチオピア、日本)

アディスアベバ発

2021年02月26日

日本財務省の貿易統計によれば、2020年の対エチオピア貿易(通関ベース)は、輸出が8,445万ドル(前年比0.6%減)、輸入が1億687万ドル(22.3%減)となった。貿易収支は、日本の3年連続の入超となった(添付資料表参照)。

多くの輸出品目が前年より大幅に減少する中、日本の輸出が微減にとどまったのは、貨物自動車の増加が他の主要品目の減少を補ったためだ。小型貨物自動車(ディーゼル、5トン以下)が2.8倍となったほか、中・大型貨物自動車(ディーゼル、5トン超20トン以下)も前年を上回った。その他の輸送用機器では、バス、乗用車(ディーゼル、2500㏄超)、モーターサイクル(排気量50㏄超、250㏄以下)がいずれも減少した。主要な輸出品目では、鉄・非合金鋼フラットロール(幅600ミリ以上、厚さ5ミリ未満)も、日本からの直接の輸出は減少しているが、隣国ジブチに在庫を置く商流転換がみられる(注1)。エチオピア向け販売におけるジブチの活用は、中・大型貨物自動車(ディーゼル、5トン超20トン以下)でも進んでいる(注2)。

輸入では、金額で上位を占める品目が軒並み減少した。エチオピアからの輸入全体の7割を占めるコーヒー豆(非焙煎、前年比24.2%減)を筆頭に、ゴマ(構成比17.3%、19.9%減)の減少も響いた。ゴマの輸入は上半期に例年を上回るペースだったが、供給側のエチオピアでは11月にゴマ産地の北部で紛争があった(2020年11月9日記事参照)。日本の統計では、エチオピアからのゴマの輸入は12月にゼロとなっている。バラなどの切り花・園芸植物は、春先と秋の輸入が減少したことが影響した。縫製品では、ストライプインターナショナルが委託生産したことなどを背景に、Tシャツ(15.7倍)が金額を押し上げた。

(注1)ジブチ向けの鉄・非合金鋼フラットロール(幅600ミリ以上、厚さ5ミリ未満)輸出は、2018年の実績ゼロから、2019年に1,412万ドル、2020年には1,942万ドルと伸長している。

(注2)ジブチへの輸出は、2019年の187台から2020年には2,096台へと増加している。

(関隆夫)

(エチオピア、日本)

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