中銀、政策金利を据え置き

(タイ)

バンコク発

2021年02月04日

タイ中央銀行(BOT)は2月3日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(全会一致)。

発表によると、2020年末の新型コロナウイルス感染拡大の影響は、同年3月の感染拡大の状況と比較すると、そこまで深刻ではないとの見方を示した。3月時点に政府が実施したロックダウンなどの規制措置に比べ、今回の措置が緩和的なことなどを理由に挙げている。また、政府が講じる各種支援策や輸出の改善などが経済拡大の支援材料となるとも述べている。

一方で、経済を取り巻く不確実性は依然として高く、継続的な低金利政策による経済の下支えが必要との意見があったことなどを受け、同委員会は政策金利の維持を決定した。

また、今後の見通しやリスクについても言及。短期的には、新型コロナウイルス感染状況とその抑え込みに依存するとしつつ、長期的には、(1)外国人観光客数の回復、(2)新型コロナワクチンの有効性、(3)継続的かつ十分な財政支援、(4)労働市場の状況などをリスク要因とした。

BOTは金融システムが健全であることを強調。その上で、為替の動向を引き続き注視しつつ、現在の低金利政策を継続する。必要となればさらなる緩和的措置の可能性にも言及し、適切な金融政策の枠組みの中で経済を下支えするとした。

(岡本泰)

(タイ)

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