政府、強化支援対象のスタートアップ120社を発表

(フランス)

パリ発

2021年02月15日

フランス経済・財務・復興省は2月8日、政府の強化支援の対象となるスタートアップ企業120社「フレンチテック・ネクスト40/120」のリストを公表した。リストはフランスに本社があり、外資に買収されていない、イノベーティブな非上場企業を対象に、毎年公募により選定(再選定)される。

120社の内訳は、ユニコーン(注)や過去3年間の資金調達額が1億ユーロを超える最有望スタートアップ40社「ネクスト40」と、過去3年間にエクイティファイナンスにより2,000万ユーロ以上の資金調達を実現した企業40社、年間売上高が500万ユーロ以上で過去3年間の売上増加率が50%以上(売上高1,000万ユーロ超の企業は同25%以上)の企業40社からなる。

2021年は、前年に選定された120社のうち30社が入れ替わる結果となった。ネクスト40外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのリストについては12社が入れ替わり、モノのインターネット(IoT)ネットワークのシグフォックス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、スマート・オーディオ機器のデビアレ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、建設部門向け管理アプリのファイナルキャド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどが外れ、代わりに、モバイル決済アプリのリディア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ネオバンクのクォント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、超小型人工衛星のキネイス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、物流ロボット開発のエグゾテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、法人向けソーシャルイントラネットのルムアップス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどが選定された。

「フレンチテック・ネクスト40/120」の売上高(2019年)の合計は88億5,000万ユーロ、2020年の資金調達額は合わせて30億ユーロに上る。雇用者数も国内だけで2万6,000人となり、2020年の1万7,700人から約1万人増えた。120社のうちイル・ド・フランス(パリ首都圏)以外の地域圏に本社を置く企業の割合は2019年と変わらず30%だったが、ネクスト40については、上記のキネイス(トゥールーズ)、ルムアップス(リヨン)、エグゾテック(リール)など地方発のスタートアップの数が前年の4社から7社に増えた。

ブリュノ・ル・メール経済・財務・復興相は同日、「全国各地に広がったスタートアップ企業はわが国の経済にとり戦略的で、技術上の主権確保に不可欠なものだ」とし、スタートアップ支援を強化する方針を示した。政府は経済復興策の中でスタートアップ企業の育成とサイバーセキュリティーなど戦略的デジタル技術の開発に37億ユーロを充てている。

(注)フランス政府の定義によると、評価額10億ドル以上の非上場スタートアップ

(山崎あき)

(フランス)

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