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2020年の観光GDP、前年比3分の1に縮小

(スペイン)

マドリード発

2021年02月15日

スペイン国家統計局(INE)が2月3日に発表した国際観光統計によると、2020年にスペインを訪れた観光客数は前年比77.3%減の1,896万人だった。新型コロナウイルス感染拡大を受けた世界的な渡航制限の影響で、過去最高を記録した2019年の8,351万人から激減。観光客による旅行消費額も、前年の919億ユーロから197億ユーロへと78.6%減少した。

居住者による2020年の国内旅行消費額も、度重なる移動制限措置によって前年から約47%減の170億ユーロ減少すると、観光業界団体EXCELTURが予測している。しかし、スペイン全体でみると、失われた観光収入の大半は国際観光客の減少によるものだ。ホテル営業軒数は前年比40.4%減の8,886軒(年間平均)と大幅に減少し、客室稼動率も33.7%と前年を4割以上割り込む低水準となった。

EXCELTURが1月下旬に発表した年次報告によると、2020年の観光関連産業の名目GDP寄与額は前年比68.9%減の481億ユーロとなり、観光産業の名目GDPに占める割合は、2019年の12.4%から4.3%まで低下したとされる。EXCELTURは、2020年の実質GDP成長率(速報値はマイナス11.0%)の縮小幅の8割が観光業の落ち込みによるとみている。

2021年については、新型コロナワクチンの効果・普及のタイミングや国際的な往来再開の状況などに不確実性はあるが、観光GDPは前年の約2倍(964億ユーロ)に増加するとの見通し。しかし、業界関係者の大半は、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準への回復は2022年後半以降となると予想する。

つなぎ資金貸し付けではなく補助を要求

スペインでも感染第3波や変異株の世界的な拡大を受け、EU域外国からの渡航制限を強化しており、2月1日から渡航制限解除対象国リストから日本を除外したほか、3日からは変異株が発見された南アフリカ共和国とブラジルからの航空便乗り入れを制限した。

また、現在のワクチン供給状況では欧州諸国も含めて夏前の往来再開は難しいとの認識も広がっており、観光低迷の出口はいまだ見えない。観光業界は、膨らみ続ける損失に対して政府支援が不足しており、観光関連の中小企業の家賃やリース料などの固定費を対象としたつなぎ資金の供与を少なくとも2021年前半にわたって実施するよう強く要求している。

スペインでは、新型コロナウイルスに伴う企業支援(添付資料表参照)は全般的に、(1)一時帰休(レイオフ)支援、(2)政府保証枠による流動性支援、(3)戦略的企業への公的資本注入が3本柱となっており、政府によると、この相当部分が観光関連企業への支援で占める。12月末には、観光関連企業などを対象に家賃引き下げの義務付けや納税猶予など、経済効果42億ユーロ規模の支援計画が発表されたが、これまで企業への直接補助は実施されていない。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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