2021年1月も貿易黒字に、輸入減少が継続

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年02月25日

インドネシア中央統計庁(BPS)が2021年2月15日に発表した輸出入のデータによると、2021年1月の貿易収支は19億5,850万ドルの黒字だった。前年同月の貿易赤字(6億3,670万ドル)から黒字に転換した。貿易収支の黒字額は、前月より6.7%減少した。2020年1月の輸出は153億70万ドルで、前年同月比で12.2%増加した一方、前月比では7.5%減少した。輸入は133億4,220万ドルで、前年同月比6.5%減、前月比7.6%減といずれも減少した(添付資料表参照)。

輸出の内訳をみると、前年同月比では、石油・ガスと非石油・ガスはそれぞれ8.3%、12.5%増加した一方で、前月比ではいずれも減少している。非石油・ガスの輸出では、動植物性油脂が55.1%増加し、さらに鉄鋼も21.0%増加した。一方、前月比では、鉄鋼の輸出がマイナス17.4%と大幅に減少。そのほか、電気・電子部品(11.9%減)、動植物性油脂(9.8%減)も減少した。

他方、輸入では、石油・ガスと非石油・ガスについて、前年同月比でそれぞれ21.9%減、4%減となったが、前月比では石油・ガスが4.7%増加し、非石油・ガスは9%減少した。非石油・ガスの輸入は、前年同月比で、機械類(21.7%減)、自動車・部品(21.4%減)などが減少する一方、電気機器は微減(0.3%減)にとどまった。前月比では、自動車・部品(7.6%)が増加した。

非石油・ガスの輸出先では、前年同期比で、中国が44.5%増と大幅に増加した。一方、上位国ではインド、シンガポールなどへの輸出が減少した。前月比では、上位5カ国のうち、シンガポールのみが増加(1.0%増)した。

輸入先をみると、前年同月比では、オーストラリアからの輸入が91.0%増とほぼ倍増した。非石油・ガス輸入の3割強を占める中国は、前年同月比で5.3%の増加、前月比で6.6%の減少となる41億4,790万ドルだった。日本からの輸入は、前月比でわずかに増加したものの、前年同月比では20.8%減と大幅な減少になった。

アグス・グミワン工業相は「例年1月に各産業が生産調整を行うため、輸入が減少しているのは通常だ」と前置きし、「一方、1月に製造・加工業関連の輸出が前年同月比で増加したことは、今後の輸出増加が期待できる」とした。加えて、「ワクチン接種のさらなる推進、自動車産業へのインセンティブ付与が、今後の製造業のパフォーマンスを促進する」と期待を示した(「テンポ」紙2月16日)。

(デシ-・トリスナワティ、尾崎航)

(インドネシア)

ビジネス短信 6423c6db73b44aa6