2020年の財政赤字、GDP比9.79%の1,019億レイ(2兆6,500億円)

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年02月10日

ルーマニア政府は1月27日、2020年の財政赤字はGDP比9.79%の1,019億レイ(約2兆6,500億円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約26円)になると発表した。赤字額は同年11月の第3次予算修正での予想値(GDP比9.1%)よりも大きく、前年比2.1倍となった。内訳は、歳入が前年比0.4%増の3,225億レイ(GDP比31.0%)と微増だった一方、歳出が14.9%増の4,244億レイ(GDP比40.8%)と大きく膨らんだことが影響している。これは、新型コロナウイルス対策として、総額463億1,000万レイ(GDP比4.45%)が融資や投資、例外的な財政支出に充当されたためだ。赤字額増大の主な理由は以下のとおり。

  • 3月から12月の新型コロナウイルス感染拡大の影響による税収減(法人税:前年比9.8%減、VAT:前年比7%減)、企業の債務支払い延期措置による収入減(総額181億2,000万レイ)
  • VAT還付を迅速化したことによる支出増(前年から27億2,000万レイの増加)。
  • 法人税を期限前に納税した零細企業に対するボーナス支給(総額9億レイ)。
  • 投資(設備投資を含む)への支出増(前年同期比95億レイの増加)。
  • 新型コロナウイルス対策費として、約150億7,000万レイの特例支出。
  • 大企業、中堅・中小企業支援のための124億8,000万レイの大規模支援プログラム実施。

その他、公務員の給与支出は前年比7.5%増、社会保障料(主に年金)は20.8%増、商品とサービスへの支出は6.9%増、EU基金などの返済不要な外部資金によるプロジェクトへの支出は25.9%増だった。

現在審議中の2021年予算について、バシレ・フロリン・クツ首相はGDP比で7%の財政赤字に抑えたいと述べている。

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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