ベトナム商工省、冷凍エビに対する米国のAD関税撤回を歓迎
(ベトナム、米国)
ホーチミン発
2021年02月25日
ベトナム商工省は、米国税関国境警備局(CBP)による冷凍エビへのアンチ・ダンピング(AD)関税の適用撤回の決定を歓迎するとの見解を示した。2月20日に、ベトナム政府ウェブニュースなどが伝えた。
CBPは、米国のエビ生産業者団体であるエビ貿易執行委員会(AHSTAC)から、ベトナムの大手水産物会社ミンフー(南部カマウ省所在)がインド産冷凍エビをベトナムで積み替えることにより、AD関税の適用を免れているとの申立があったことを踏まえ、2019年10月に調査を開始した。
CBPは2020年10月13日、ミンフーが米国に輸出した冷凍エビに関して、インド産に課すAD関税を適用する決定を下していた。
ベトナム商工省は、同決定に異議を申し立てたミンフーに対して、米国当局に協力し、最大限の情報を提供するよう要請した。また同省は、農業農村開発省、ベトナム水産物輸出加工協会(VASEP)およびミンフーと連携して状況を明らかにするとともに、米国当局に対しては、客観的で透明性ある調査を実施し、産業界の利益を損なわないよう要請していた。
2021年2月11日にCBPは、ミンフーがAD関税を不当に免れていると結論付けるだけの証拠が不足しているとして、AD関税を適用するとした決定を撤回した。ベトナム商工省は、これを歓迎するとともに、客観的で公平な決定だと評価。また、この決定は、ミンフーと各関連機関の事態解決に向けた取り組みが十分に考慮されており、米国のエビ生産業者と外国の輸出業者との健全な競争環境の整備に寄与するとの見方を示した。
今後、ベトナム商工省は、より明確な情報を入手し、ベトナムのエビ生産、加工、輸出業者の法的権利と利益を確保していくため、米国関係機関との情報交換を継続するとしている。また、国内企業に対しては、輸入国側の条件に適合するよう商品追跡システムを研究、開発、実用化することを推奨した。
(比良井慎司)
(ベトナム、米国)
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