中銀、1口座からの送金を週5回に制限、企業は対応策迫られる

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年02月16日

エチオピア中央銀行が2021年1月8日付で市中銀行に通達した口座からの送金制限について、市中銀行各行は準備が整い次第、通達に順次対応しているとみられる。ジェトロが利用する銀行でも、1月下旬には窓口で対応を開始した。2月に入り、インターネットバンキングなどでも5回の制限を捕捉できるようになっているという。

ジェトロが市中銀行から入手した通達(V/G/FIS/003/2021)によれば、口座ごとに1週間(月曜~土曜)の送金回数は5回までに制限されている(電気や水道、通話料の支払いは、制限の対象外)。従業員への給与支払いは対象外だが、別途、市中銀行が定めた様式で支払う必要がある。小切手や支払い指示書で従業員の銀行口座に振り込む場合は、制限の対象となる。通達には記載がないが、ジェトロが取引銀行に確認したところ、制限は国内取引に限られる。

今後、週5回の制限が国内の商業活動にマイナスの影響を与えていく恐れがある。対応策の1つは現金支払いだが、現金にも引き出し制限がある。中央銀行の通達(V/G/FIS/024/2020)では、2020年10月7日以降、1日当たりの引き出し可能限度額を個人で5万ブル(約13万円、1ブル=約2.6円)、法人で7万5,000ブルとしている(注)。実務上、週5回の送金では立ち行かないため、現地の企業では、同一銀行に複数口座を持ったり、他の銀行に口座を持ったりなどの対応策を図っている。

(注)月間の引き出し上限額は、別の通達(FIS/03/2020)が有効なままで、個人で100万ブル、法人で250万ブルまでとなっている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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