ウルグアイ大統領がブラジル訪問で、2国間の関係強化を確認

(ブラジル、ウルグアイ)

米州課

2021年02月05日

ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領は2月3日、ウルグアイのラカジェ・ポウ大統領と、首都ブラジリアで昼食を共にしながら会談を行った。ブラジル大統領府およびウルグアイ大統領府が、共に公式サイトで発表した。

ブラジル大統領府によれば、ブラジル側からはタルシージオ・フレイタス・インフラ相、ベント・アルブケルケ鉱山エネルギー相、エルネスト・アラウージョ外相が同席した。会談では、ブラジル国内の安定的な電力供給を目指して、ブラジルが引き続きウルグアイから電力を購入する旨が述べられ、また、両国が加盟するメルコスールの規則の柔軟化について議論が行われた。

会談後、アルブケルケ鉱山エネルギー相は記者団に対し、「ブラジル国内のエネルギー安全保障という観点で、今後もウルグアイ含むメルコスール諸国からの電力購入が重要となる」と述べた。鉱山エネルギー省によれば、ブラジルでは総発電量の7割弱を水力発電が占めており、水力発電への依存度をいかに低減するかが課題となっている。現在も、ブラジル国内では2020年10月以降続く降雨不足が原因で、国内の安定的な電力供給が懸念されている。

ウルグアイ大統領府の公式サイトによれば、両大統領は、メルコスールの域外通商交渉に関する規定に関して「柔軟化を目指した」議論を行った。

アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイが加盟する関税同盟メルコスールでは、第三国・地域との自由貿易協定(FTA)交渉は全加盟国一体となって行わなければならない。2月3日付の現地紙「フォーリャ・デ・サンパウロ」によれば、ボルソナーロ大統領は「加盟国がより柔軟に域外国とビジネスを行うことが重要」と述べた。また同紙は、新型コロナウイルス感染拡大の影響にもかかわらず、両大統領が対面して会談した意義は大きく、両国は「メルコスールは、より近代化した柔軟な同盟として前進するべき」との意見で一致していると報じている。

(辻本希世)

(ブラジル、ウルグアイ)

ビジネス短信 06d13eace0f3f74f