2020年11月~2021年1月の失業率、約17年ぶり高水準の7.0%

(香港)

香港発

2021年02月24日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は2月18日、2020年11月~2021年1月の失業率(季節調整済み、速報値)が、2020年10~12月期から0.4ポイント上昇し、約17年ぶりの高水準となる7.0%を記録したと発表した(添付資料図参照)。

業種別にみると、個人消費や観光客の減少の影響を受けやすい小売り・宿泊・飲食業で10~12月期から0.7ポイント悪化して11.3%を記録し、中でも飲食業は14.7%と悪化がより顕著となっている。これ以外の多くの業種でも状況は軒並み悪化しており、特に教育、芸術・エンターテインメントなどの分野の悪化が目立つ。

政府労働・福祉局の羅致光局長は発表に際し、「新型コロナウイルス感染拡大第4波(注1)には改善の兆しが見られるが、経済活動が通常に戻るには時間がかかるため、近い将来も、労働市場への圧力は続くだろう」とコメントした。

スタンダードチャータード銀行シニアエコノミストの劉健恆氏は「最新の失業率は、新型コロナウイルス感染拡大第4波と感染拡大防止措置の強化が経済に深刻な影響を及ぼしたことを反映して、市場の予想を超えて悪化した」と指摘した(「信報」2月19日)。

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、7月中旬以降の域内感染拡大を「第3波」と呼んでいる。現在は「第4波」が到来しているとされる。

(野原哲也)

(香港)

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