2020年通年のGDP成長率はマイナス1.0%

(韓国)

ソウル発

2021年01月28日

韓国銀行(中央銀行)は1月26日、「2020年第4四半期および年間GDP(速報)」を発表した。第4四半期の実質GDP成長率は前期比1.1%、前年同期比マイナス1.4%で、2020年通年では前年比マイナス1.0%だった(添付資料表1、2参照)。2020年通年のGDP成長率は、韓国がアジア通貨危機に直面した1998年(マイナス5.0%)以来のマイナス成長となった

2020年第4四半期の実質GDP(前期比)を支出項目別にみると、主な内容は次のとおり。

  • 民間消費:サービス(飲食宿泊、運輸など)と財(飲食料品など)が全て減少し1.7%減。
  • 政府消費:物件費、健康保険給付費などを中心に0.4%減。
  • 建設投資:建物、土木建設が全て増加し、6.5%増。
  • 設備投資:機械類は増えたが、輸送機器が減少し2.1%減。
  • 輸出:半導体、化学製品などを中心に5.2%増。
  • 輸入:機械および設備などを中心に2.1%増。

業種別では、農林漁業が4.9%増、製造業は化学製品、コンピュータ、電子・光学機器などが増加し2.8%増、電気・ガス・水道事業は電気業を中心に5.9%増、建設業は建物や土木建設が全て増加し2.6%増、サービス業は宿泊飲食、運輸などは減少したものの、情報通信、医療・保健および社会福祉サービスなどが増加し0.4%増だった。

韓国銀行のパク・ヤンス経済統計局長は同日行われた記者会見で、「韓国経済は新型コロナウイルスの影響を払拭(ふっしょく)していない」とした上で、同行の成長率見通し(マイナス1.1%)より改善した理由について、「第4四半期の半導体や化学製品などの輸出が好調だったため」と説明した。ただし、主要国に比べ新型コロナウイルスによるショックは少なかったとした。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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