インターネットを用いた人材募集に関する初の管理規定、差別禁止と個人情報保護が重点

(中国)

北京発

2021年01月13日

人力資源・社会保障部は2020年12月18日、「インターネットにおける人材募集サービスに関する管理規定」(人社部令第44号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同規定はインターネットを用いた人材募集サービスに関する初めての管理規定で、企業が求人のためにサービス事業者に対して提供する人材募集情報に関し、性別などによる差別の禁止を求めるとともに、サービス事業者の個人情報保護を強化することに重点をおいている。同規定は、2021年3月1日から施行される。

同規定では、企業が人力資源サービス機構に提供する募集情報(企業概要、募集人数、募集条件、雇用類型、業務内容、勤務条件、勤務場所、基本労働報酬など)について、その内容が合法、真実でなければならず、民族、人種、性別、宗教信仰などに関する差別的な内容が含まれてはならないことを明確にした。また、国家の規定に違反し、戸籍、地域、身分などで人材の流動を制限する条件を設けてはならないとした。

個人情報の保護に関しては、人力資源サービス機構による、応募者の身分証番号、年齢、性別、住所、連絡先、求人企業の経営状況などに関する情報の、外部への漏えい、情報の修正または抹消、情報を不法に販売・提供することなどを禁止している。

さらに、人材募集情報が非合法あるいは真実でない場合、人材の流動を制限する行為を行った場合、個人情報を違法に利用した場合などには、「人力資源市場暫定条例」「インターネット安全法(サイバーセキュリティ法)」などの法律条例に基づいて罰則を科す。

同規定制定の理由について、人力資源・社会保障部流動管理局の担当者は「全国の人力資源サービス機構は2019年末時点で3万9,600社となっており、人材募集ウェブサイトの数は計1万5,000に上る。また、2019年にインターネットを通じて公布された人材募集情報は合計で約4億件に達した。一方、市場の成長に伴い、人力資源サービス機構の資質に対する管理不足、個人情報の不正利用、不合理な費用徴収などの問題が発生したため、法律を制定し、関連サービス活動を規範化し管理する必要があった」と説明している。

(趙薇)

(中国)

ビジネス短信 f3715422bc24546a