欧州投資基金、ファンド通じ海洋経済セクターへ資金供給

(EU)

欧州ロシアCIS課

2021年01月28日

欧州投資銀行(EIB)グループの欧州投資基金(EIF)(注)は、EUの海洋資源を活用する「ブルーエコノミーセクター」向けプログラム(ブルーインベスト)の下、欧州委員会と連携し、ファンド向けに4,500万ユーロ規模の資金供給を行う。1月26日にブリュッセルで開催された「ブルーインベストデイ」のカンファレンスで、EIFのアラン・ゴダール最高経営責任者と欧州委のビルギニウス・シンケビチュウス環境・海洋・漁業担当委員が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

資金供給先は、欧州のブルーエコノミーをターゲットとする2つのファンド、ベルギーのアスタノールベンチャーズとブルーホライズンベンチャーズ。食の安全性や持続可能性を重視したアグリテックを対象とする両ファンドを通じ、革新的な製品、素材、サービスを開発するスタートアップの支援を行い、海洋保全や、ブルーエコノミーの持続可能性を高める狙いだ。同セクターは、欧州グリーン・ディールで目標とされている2050年までの気候中立を達成する上で重要な役割を担うとされている。

これらのファンドに加え、さらに3つのファンドへの資金供給についても、EIFによる承認がされており、いずれも2021年中に実現する予定だ。金額としては、ブルーインベストを含む複数の枠組みを通じ、計3億ユーロを供給する。

今回の発表に際し、シンケビチュウス委員は「ブルーインベストは欧州委とEIFにとって、ブルーエコノミーを欧州グリーン・ディールの基礎として推進する強力な手段となる。われわれは革新的な中小企業やスタートアップがこの資金の恩恵を受け、将来の気候中立の実現を手助けしてくれるよう支援していく」と述べた。EIFのゴダール氏も「(ブルーインベストの)発表から1年足らずで4,500万ユーロもの資金を2つのファンドを通じてブルーエコノミーに供給することができて喜ばしく思う。われわれの目標はブルーエコノミー向けに、機能的で影響力のある、包括的な資金供給エコシステムの構築に貢献することだ」とコメントしている。

(注)EIBグループは、EIBと、中小企業 に対する資金提供を専門に行うEIFで構成される。

(山田恭之)

(EU)

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